Web教材を安全に作成・公開するためには、著作権と個人情報保護に関する正しい知識と対策が不可欠です。
1. 著作権について
著作権とは:著作権は、著作物を保護する権利です。著作物とは、思想や感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術、音楽などの範囲に属するものを指します。
Web教材で使用する文章、画像、動画、音楽などは、他者の著作物である可能性があります。
著作権侵害:著作権者の許可なく著作物を複製、改変、公衆送信(インターネットでの公開など)すると、著作権侵害になります。
著作権侵害は、損害賠償請求や刑事罰の対象となることがあります。
著作権のルール:著作物を利用する際は、著作権者の許可を得るか、著作権法で認められた範囲内で利用する必要があります。
著作権フリーの素材を利用する、引用のルールを守る、などの対策を講じましょう。
教育機関での利用は、著作権法第35条で一定の範囲で認められていますが、条件がありますので注意が必要です。
参考資料:
文化庁:学校教育における 著作物利用のルール
著作権情報センター:教育機関における著作物の利用
教材作成時の注意点:
インターネット上の画像や文章を無断で使用しない。
市販の教材や書籍をスキャンして公開しない。
動画や音楽を使用する場合は、著作権フリー素材を利用するか、著作権者の許可を得る。
引用する場合は、引用元を明記し、引用部分が従となるようにする。
2. 個人情報保護について
個人情報とは:個人情報とは、個人を特定できる情報のことで、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどが該当します。
Web教材に個人情報を掲載すると、プライバシー侵害や悪用につながる可能性があります。
個人情報保護法:個人情報保護法は、個人情報の適切な取り扱いを定めた法律です。
Web教材で個人情報を取り扱う場合は、個人情報保護法を遵守する必要があります。
教材作成時の注意点:
生徒や他の人の個人情報を無断で掲載しない。
アンケートやテストで個人情報を収集する場合は、利用目的を明示し、適切な管理を行う。
顔写真や動画を掲載する場合は、本人の同意を得る。
個人情報を取り扱う場合は、アクセス制限をかけるなどセキュリティ対策を行う。
3. その他
利用規約を設ける。教材の利用範囲や禁止事項を明記することで、トラブルを防止できます。
免責事項を記載する。教材の内容について、誤りや不具合があった場合の責任範囲を明記します。
Web教材公開前のチェックリスト
- 著作権に関する許可は取得済みですか?
- 個人情報保護に関する対策は万全ですか?
- 利用規約と免責事項は記載されていますか?
- 教材の内容に誤りや不具合はありませんか?
- 教材の公開範囲は適切ですか?
これらの注意点を参考に、安全で質の高いWeb教材を作成・公開してください。